本日、「イベント(舞台芸術公演)における客席の収容率50%制限」の撤廃要望書を、西村康稔新型コロナウイルス対策担当大臣に宛てて、舞台芸術関係団体の連名にて下記の通り提出いたしました。
令和2年9月10日
新型コロナウイルス対策担当大臣
西 村 康 稔 殿
緊急要望:イベント(舞台芸術公演)における客席の収容率50%制限の撤廃について
公益社団法人全国公立文化施設協会
クラシック音楽公演運営推進協議会
緊急事態舞台芸術ネットワーク
新型コロナウイルス感染症による公演の中止や施設の閉館など舞台芸術関係が被った打撃に対して、国では補正予算を含む多様な支援策を講じていただいており感謝申し上げます。公立文化施設や舞台芸術諸団体としても、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに則った対策を講じた上で、公演や施設の再開を進めているところです。
一方で、国では屋内イベントの客席収容率を一律で50%以内と示され、それを受け感染拡大予防ガイドラインでは「前後左右を空けた席配置」とし、公演再開においても50%以内の収容を厳守しています。しかしながら、多くの舞台芸術公演では、チケット販売における採算ラインを80%以上と見込んで、予算を立て制作されています。このまま収容率50%制限が続くならば、再開しても公演を続ければ続けるほど、赤字が積み上がることとなります。
クラシック演奏、ダンス、演劇、伝統芸能、演芸等の公演において観客は、原則として公演中は、定められた席に着席し、一定方向を向いて、相互の会話も行わずに観劇しています。先般、クラシック音楽公演運営推進協議会が提出公表した科学的検証においても、マスクを着用していれば、隣り合う配席でも、前後左右を空けた配席でも、感染リスクは変わらない結果が立証されております。また、劇場施設は建築法や興行法等により一定規模の空調設備が設置されており、屋内であっても決して密閉空間ではありません。
公演の中には、公演内容や観客層の年齢構成等、収容率において配慮が求められるものもありますが、公演主催者や施設管理者が、感染拡大予防ガイドラインに基づいて設定し、併せて「歓声や出待ちを控える」等の感染防止策を徹底することにより対策は可能です。
このまま不採算公演が続くと関係諸団体等の倒産や廃業、関係者の離職等による文化の継承の断絶等も想定されます。一定の条件下の舞台芸術公演において、感染拡大予防ガイドラインを遵守した上で、客席収容率50%制限の早期の撤廃をお願いいたします。