プレスリリース「#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト」(声楽・合唱)科学的検証の実施報告

爽やかな秋の音楽シーズンが巡りきました。

しかし、今年は私たちにとって、世界中にとって、特別な秋になってしまいました。会員社の皆さまにおかれましても、まだまだ苦難の時が続いているものとお察し申し上げます。

さて、9月27日、28日にかけて、長野県茅野市のクリーンルームにおきまして、声楽の科学的検証を実施致しましたことをご報告申し上げます。新国立劇場を中心とする声楽家、合唱団員の皆さまの協力のもと、マスクなしと4種類のマスクを着用した際の歌唱を検証致しました。また、ドイツ語、イタリア語、日本語と3つの異なる言語による飛沫や微粒子の飛散の違いも検証しております。報告書は、今月中にお示しできるかと思います。報告内容によっては、現在の私たちのガイドラインにある、「歌唱位置から最前列まで水平距離で最低5メートル必要」との表記を緩和出来ないか探るつもりです。また、今回は歌唱位置から斜め前方への飛散も計測しており、合唱団の整列方法に何らかのヒントが得られるのではないかと期待しています。

また、先日は文化庁の現在の補助金のあり方について、より簡便で実効力のあるシステムにすべく文化庁や文芸議連の皆さんとの会合も致しました。さらに、協会としては、近くスタートするgo toイベントの動向に注視しており、これについても積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えております。少しづつ動きの見える入国制限、2週間隔離措置については、なおも情報収集に努めます。

もう一つ、私自身が強く意識してきたことがございます。それは私たちの行動が報道機関から発信されることの重要性です。音楽ファンのみならず、社会にクラシック音楽界の現状を知っていただき、理解を得ることこそ、本当の意味で平常に戻る近道と考えてのことでした。幸いにもこれまで一際大きく、そして頻繁に取り上げていただいています。それは、私たちの不断の努力を認めてくださってのことでもありますが、ここでもクラシック音楽の偉大さを感じずにはいられません。

ようやく演奏会が再開し、客席収容率緩和もなされました。このように明るい兆しも感じられますが、その動きを止めずに加速させるような具体的働きかけを心がけたいと考えています。どうぞ、引き続きのご協力をお願い申し上げます。

日本クラシック音楽事業協会

会長 入山 功一